深川硝子工芸は、1906年に硝子瓶の製造を目的として井田精氏が東京都深川区で創業したのが始まりで、当時は塩や薬品の保存ビンを製造していました。1950年代になると食卓用ガラス・高級カットガラスの製造を手掛け、1974年には勲五等瑞宝章 (ずいほうしょう) を受章しました。2003年に 北海道 小樽市に今の株式会社深川硝子工芸を設立。その後も経済産業省より表彰 (明日の日本を支える元気な中小企業300社に選定) を受けるなど、深川硝子工芸は名実ともに兼ね備えたガラス製品会社へと成長していきました。
先人たちの築いた「吹きガラス」の技術を守り、受け継ぎながらも新しいことにもチャレンジする。2012年には、熱に強い江戸切子グラスとコーヒーカップを開発し、「伝統的工芸品チャレンジ大賞」にて優秀賞を受賞。2016年には、国立大学法人室蘭工業大学と「新しい希土類硝子の小樽切子への展開」と題した共同研究契約を締結するなど、深川硝子工芸のものづくりは広がりを見せ、今では業務用食器や生活雑貨、カットグラスなどの高級食器と多岐にわたるガラス製品作りを展開しています。
小樽切子
オールド 螺鈿七宝
小樽切子
漁火 タンブラー 金赤琥珀
小樽切子
燦 ロックグラス 黒琥珀
小樽切子
雅 ぐい呑 緑琥珀
深川硝子工芸では、ガラス加工で使用する釜からの廃熱を給湯・暖房(ラジエーター)・ロードヒーティング・融雪に利用する「廃熱を利用したエコシステム」を構築しています。他にも、排気ファンの熱で屋上に積もる雪を解かして (雨水はそのままタンクへ) 循環水地下タンクに貯めると、工場で使用する水として、またトイレの排水に再利用しています。工場から出る水 (ガラス形成・研磨) もろ過して再度利用しています。この取り組みは SDGs の目標12「つくる責任 つかう責任」の活動に寄与する取組みです。
廃熱を利用したエコシステム
融雪水循環システム
深川硝子工芸では、使用済み自動車の窓ガラスを再利用したグラスウェアの開発を2017年より開始しました。役目を終えた自動車ガラスに新たな命を吹き込み、グラスウェアとして製品化しています。自動車ガラスは、ほとんどがシュレッダーダストとなり埋め立てられているのが現状です。
そのような現状の中、北海道帯広市に本社を置く総合リサイクル企業の 株式会社マテック と共同で、自動車の窓ガラスを利用したリサイクルグラス製品作りに取組み、職人の試行錯誤の末、小樽再生ガラスが完成しました。食卓に溶け込むようなイメージでデザインしています。
小樽再生ガラス
サワーグラス・カフェグラス・フリーカップ・フロートグラス
ビールのグラスとして。気泡もたのしめる
グラスに入っている気泡
色やカタチの個体差を味わいとして楽しんで
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