令和元 (2019) 年に倉業60周年を迎えた 三浦工業 株式会社は、愛媛県松山市に本社を構える、貫流ボイラとボイラ技術を基盤とする水処理機器や食品機器、滅菌器、メディカル機器などの製造販売、メンテナンスなどを行う企業です。特に産業用貫流ボイラ市場ではNo.1のシェアを有し、熱・水・環境の3分野でトータルソリューションを日本を含む24の国と地域にグローバル展開しています。2014年からは、ミャンマーやバングラデシュなどアジアの新興国、ヨーロッパと中東諸国への進出の拠点となるトルコでも事業を開始しています。
※三浦工業
三浦工業 のボイラは、日本国内において省エネ・環境負荷低減に配慮したさきがけのボイラで、未利用熱の有効利用を含めた熱や水の有効利用を通して、工場全体のエネルギーシステムを効率化などに貢献。一般財団法人新エネルギー財団主催の令和2年度新エネ大賞「新エネルギー財団会長賞」を受賞しました。
舶用事業、食機事業、アクア事業などの他分野でも、三浦工業の製品やサービスは、病院、学校、コンビニ、レストラン、銭湯、遊園地など、私たちの日々の暮らしに密着した場から、工場やコンビナートといった産業現場まで幅広く活用され、今日も地球にやさしく動いています。
新エネ大賞「新エネルギー財団会長賞」エンブレム
水素は燃焼時の生成物が水のみであることから、CO2排出ゼロのクリーンエネルギーとして注目されています。2050年の温暖化ガス排出量実質ゼロを目指す脱炭素社会の実現に向けて、水素は重要なエネルギーと位置付けられており、様々な分野での水素利活用が期待されています。
三浦工業ではその一翼を担う機器として、広く熱源として利用されている貫流ボイラでの水素利用について開発を行い、2017年1月に日本で初めて (三浦工業調べ) 100%水素燃焼が可能な本製品を商品化 (水素燃料ボイラ SI-2000-H2) しました。
水素燃料ボイラ
(SI-2000-H2)
水素は様々な1次エネルギーから製造できるため、化石燃料よりも地政学リスクが低く、幅広い地域での活用が見込まれています。現在では 1. 化学製品の製造過程で副生する水素や 2. 化石燃料からの水蒸気改質による製造などが主流ですが、将来的には 3. 再生可能エネルギーの電気からの水電解による製造、もしくは 2. の水蒸気改質とCCS技術 (CO2貯蔵技術) を組み合わせた製造によりCO2を排出しない水素製造も期待されており、本製品の活用によって産業熱の脱炭素化を促進できると考えています。
水素の供給例
水素は燃焼時の生成物が水のみであることからCO2排出はゼロとなります。化石燃料から水素に切り替えた場合、それまで排出していたCO2量がそのまま削減量となるため、削減率は100%となります。蒸気量2t/hのA重油焚きボイラのCO2排出量は下記の試算条件では年間2,000トン以上になるため、水素燃料ボイラに切り替えることによるCO2削減効果は非常に大きくなります。
A重油の低位発熱量:36.7 MJ/L、水素の低位発熱量:10.77 MJ/Nm3、ボイラ効率:95%、
年間稼働時間:6000hr、A重油のCO2排出量算定係数:2.71 t-CO2/kL
三浦工業 は、熱・水・環境の分野で、環境に優しい社会、きれいで快適な生活の創造に貢献という企業理念のもと、エネルギー問題や環境問題の改善にグローバルレベルで取り組んでいます。環境負荷低減に向けた取り組みやリサイクルプロジェクトを立ち上げ、国連が定めた2030アジェンダの SDGs に寄与できるよう、持続可能な社会への取り組みを行っています。また、社員ひとりひとりのSDGsへの意識を高め、活動を促進させるために、社内活動「MyGs (マイジーズ) 」を実施しています。
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