株式会社 テムザック (tmsuk co., ltd.) は、2000年に福岡県で誕生したサービスロボットのパイオニアメーカーで、スマートモビリティ、医療シミュレーター、災害救助、コミュニケーションロボットなど多種多様なロボットの開発、販売を手掛けています。本社は福岡県宗像市にあり、京都府京都市にはテムザック中央研究所が2017年6月に設立。また「京都府」「京都市」の協力を得て進めていたユニバーサルモビリティ「RODEM ロデム」のシティモビリティ化を加速させる為に、福岡にあった本店をグローバル拠点としている中央研究所に移転し。京都ではAI、自動運転、群れロボット等、先端研究開発を中心に行い、福岡の本社では大型ロボットのBtoB開発や、医療分野、医療シミュレーターロボットの開発拠点としてます。
テムザック本店・中央研究所
テムザック中央研究所に見学
京都は大学や、研究機関、先進的企業が多く知的産業の中心地でもあり、海外での認知度も高く訪日外国人も多い事から、京都西陣にテムザック本店・中央研究所を構え、海外研究者の窓口、「RODEM ロデム」研究開発・実証実験の場、新アクチュエーターの研究、AIの研究など展開しています。
写真はシティモビリティとしてのRODEM。2021年3月に京都府の協力で、5G遠隔操作の実利用テスト、京都市の協力を得て時速12kmでの車道走行テストを行いました。
シティモビリティとしてのRODEM
RODEMは、真のバリアフリーを実現することを目的としたユニバーサルモビリティです。RODEMをシェアサイクルと同様、シティモビリティとしてシェアリング運用することで、誰でも楽しく、簡単に移動を楽しむことができるようになります。また、RODEMの特徴として走行時の目線が高く、歩行者と同じ目線で会話をすることが可能なのでRODEMに乗ったまま観光、カウンターでのやり取りなどを行うことができます。
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RODEM (ロデム) は、“質の高い生活を、すべての人に” をコンセプトに、少子高齢社会の中で、介助者・被介助者双方の負担を減らし、誰もが暮らしやすい社会を実現したいとの想いで開発された既成概念にとらわれない新しい製品です。
RODEMはNEDO (国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構) 事業の支援を受けて、福祉大国であるデンマークで実証実験を行いました。デンマークでのテスト結果をもとに、安全性の追求とともに、更に実用化に適した機能・ユーザビリティを向上させています。ユーザーの思いにより、時にはサポートロボット、時にはモビリティ (乗り物)、時には車いすとしての役割を1台で果たします。
介助者・被介助者双方の負担を減らす
質の高い生活を、すべての人に
車いすへの乗り移りは、従来前方から “座る” 形式が一般的であったなか、後ろから “乗る” 形式へと発想を転換したことで、体の向きを変えることなくベッドや椅子、トイレ等への移乗が可能となり、ユーザーの生活空間を広げ、質の高い生活を実現するための自立・移動を支援する全く新しいモビリティです。
座席シートが下がった状態
座席シートが上がった状態
高齢化が進む我が国における介護現場では、高齢者・障がい者による車椅子の使用において、ベッドから車椅子に移乗・移動する際に、転倒する事故が発生しています。また、抱きかかえ介助作業における介護者の腰痛発症が原因となり、介護者の離職につながるという課題もあります。
“質の高い生活を、すべての人に” をコンセプトに、少子高齢社会の中で、介助者・被介助者双方の負担を減らし、誰もが暮らしやすい社会を実現したいとの想いで開発された「RODEM」は、体の向きを変えることなく移乗でき、そのままベッドや椅子、トイレ等への移動を可能にしました。RODEM 開発から今回のJIS規格制定に至るまでの詳しい経緯は、NEDO掲載の「NEDO実用化ドキュメント」でご覧いただけます。
しかし、これまでRODEMのような後ろから乗りこむ、移動・移乗機能を備えた馬乗り形電動車椅子についての安全規格はなく、普及途上にありました。今回のJIS制定によって馬乗り形電動車椅子においてもリスクアセスメント評価による、機器のリスク低減が図られることで、安全性に十分配慮した製品開発が行われ、新たな市場の創造と、高齢者福祉などへの貢献に大きな前進となることが期待されます。