最先端のIoTを備えた新細胞処理センター
横浜細胞処理センター (Yokohama CPC) は、再生医療への応用を目的とした「さい帯血」の細胞保管サービスの需要増加に応えるため、受け入れ可能な検体数の拡充及び、日本初の事業として「さい帯(へその緒)組織」保管サービスへの対応を目的として株式会社ステムセル研究所が神奈川県横浜市に設立した新たな細胞培養加工施設です。
横浜細胞処理センター (Yokohama CPC) は、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づく手続きを経て、厚生労働省(関東信越厚生局)より特定細胞加工物製造許可を2021年3月12日付けに取得。また「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づく、再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準であるGCTP(Good Gene, Cellular, and Tissue-based Products Manufacturing Practice)に適合可能な設備となっています。
横浜細胞処理センター (Yokohama CPC)
データ収集制御システム「SMARTDAC+®」を導入
新たにデータ収集制御システム(SMARTDAC+®)を取り入れ、また各部屋の温湿度、清浄度や各機器の温度等の測定データを24 時間自動で監視・記録します。さらにタブレット端末を使用し、現場から離れた場所からでもリアルタイムに遠隔監視ができるIoTを備え、アラーム発生時はレポートデータの検索や確認ができ、迅速な状況把握と対応が可能となっています。
スマートダック(SMARTDAC+®)とは、横河電機株式会社によるデータ収集制御システムで、直感的なタッチパネル操作ができる、AI関連機能を標準搭載したペーパレスレコーダ(記録計)です。入出力はフレキシビリティの高いモジュール構造で、さまざまな測定対象に対応します。また、拡張機能により、厚労省 ER/ES指針、データインテグリティなどの厳しい規格にも対応できます。
細胞処理室
さい帯血の再生医療
さい帯血を用いた再生医療は、2020年に2件の臨床研究が国内で新たに開始され、これからますますその可能性が注目されるものと考えられます。また「さい帯組織」から採取できる間葉系細胞は、免疫調整作用、抗炎症作用や組織修復作用を有し、すでに国内外での臨床研究により、その安全性や有用性が確認されつつあります。
日本初の「さい帯組織」保管サービス提供
株式会社ステムセル研究所は、出産時のお子さま自身のさい帯(自家さい帯)由来細胞の利点を利用した疾患治療を目指し、さい帯由来間葉系細胞の凍結保管技術ならびに培養プロセス、臨床応用に向けたバンキングシステムについて、2018 年より東京大学医科学研究所附属病院 臍帯血・臍帯バンクの長村登紀子准教授と共同で研究。また、東京大学が保有する技術とノウハウの開示を受けてその検証を行い、自家さい帯バンキングシステムの構築と開発。
そしてこれらの技術とノウハウの使用に関するライセンス契約を東京大学と締結し、これに基づいたさい帯組織保管サービスを日本で初めて開始しました。なお、米国では約75%、世界では約65%のプライベートさい帯血バンクがすでに同サービスを提供※していります。※Global Cord Blood Banking Industry Report, 2021
株式会社ステムセル研究所は新細胞処理センターの稼働により、さい帯血およびさい帯保管サービスの需要に対応し、またそれらの細胞を用いた新しい医療の開発に貢献できるよう研究開発に取り組んでいます。