日本人旅行者と訪日外国人の人気都道府県は?
日本人・訪日外国人の47都道府県ランキング とは、国内の在住者が旅行する行先と、日本を訪れた外国人旅行者の行先を都道府県ごとに訪問者数を出してランキングにしたものです。2020年からのコロナウィルスの影響で、国内観光の需要喚起を目的としたさまざまなサービスが国・地方でスタートしています。これまではインバウンド戦略で訪日外国人に対してのプロモーションや活動が各地方で行われてきましたが、今度は日本人旅行者に対してプランの練り直しが起きています。
そこで、日本人の国内旅行先はどこが人気なのか、また訪日外国人との旅行先の違いはあるのか、両者の訪問者数を都道府県別で比較する事により、日本人旅行者と訪日外国人に対するおもてなしの方法も見えてくるかもしれません。また、両者の訪問地での支出も都道府県別で比較しています。訪日外国人からしてみれば日本旅行は海外旅行なので、国内旅行の日本人とは支出感覚も異なってきます。データはコロナウィルス前の2019年の統計を参照しています。ここで言う日本人とは国内在住者を指しています。

2019年の日本人の国内旅行者数と消費額
観光庁の「旅行・観光消費動向調査」から、2019年の日本人の国内旅行者数は宿泊旅行者が3億1,162万人、国内日帰り旅行者が2億7,548万人になり、合計で5億8,710万人になります。

2019年の日本人国内旅行消費額は21兆9,312億円(前年比7.1%増)で、その内訳は宿泊旅行消費額が17兆1,560億円(前年比8.6%増)、日帰り旅行消費額が4兆7,752億円(前年比2.0%増)となっています。
2019年の日本人国内旅行の一人当たりの旅行支出は37,355円(前年比2.4%増)となり、宿泊の有無で見ると、宿泊旅行の場合一人当たり55,054円(前年比1.4%増)の支出、日帰り旅行の場合は、一人当たり17,334円(前年比0.3%増)の支出となっています。
2019年の訪日外国人数と消費額
訪日外国人数に関しては、日本政府観光局(JNTO)の「訪日外客数」から参照。2019年の訪日外国人客数は31,88万人とあり、日本人の国内宿泊旅行者数と比べるとおよそ十分の一の数になります。
しかし消費額を見ると、2019年の訪日外国人旅行消費額は総額で4兆8,135億円と推計され、この額は日本人の日帰り旅行消費額と近い額になります。訪日外国人(一般客)の一人当たりの旅行支出は15.9万円と推計され、消費額別にみると、宿泊費が29.4%、飲食費が21.6%、買い物代が34.7%を占めています。訪日外国人の一人の旅行支出額は日本人の宿泊旅行の支出の約3倍にあたります。

日本人の国内旅行先 都道府県ランキング
このデータは観光庁が日本国内居住者の旅行・観光における消費実態等を調査した「旅行・観光消費動向調査」から2019年のデータを元に作成しています。下の表は、「訪問者数」と「消費単位」をクリックすると、上位・下位順に並び変える事ができます。この表では、北海道は東北、沖縄は九州ブロック属しています。
地方・訪問地 | 訪問者数 (単位:万人) | 消費単価 (単位:万円) |
---|---|---|
関東・東京都 | 9077 | 2 |
近畿・大阪府 | 5438 | 1.9 |
関東・千葉県 | 4338 | 2.4 |
関東・神奈川県 | 3882 | 1.7 |
東北・北海道 | 3678 | 3.3 |
九州・福岡県 | 3543 | 2 |
中部・静岡県 | 3487 | 2.3 |
近畿・兵庫県 | 3306 | 2 |
中部・愛知県 | 3148 | 1.6 |
近畿・京都府 | 2974 | 2.1 |
中部・長野県 | 2908 | 2.2 |
中国・広島県 | 2287 | 1.7 |
関東・埼玉県 | 1852 | 1.2 |
関東・栃木県 | 1782 | 2.2 |
中部・三重県 | 1755 | 1.9 |
東北・宮城県 | 1554 | 2.3 |
九州・熊本県 | 1537 | 1.8 |
関東・茨城県 | 1509 | 1.5 |
東北・福島県 | 1482 | 2.3 |
中国・岡山県 | 1355 | 1.6 |
関東・群馬県 | 1351 | 2.3 |
東北・新潟県 | 1347 | 2.8 |
中部・山梨県 | 1323 | 2.3 |
九州・大分県 | 1129 | 2.6 |
中部・岐阜県 | 1125 | 2 |
中部・石川県 | 1073 | 2.8 |
近畿・滋賀県 | 1049 | 1.5 |
九州・長崎県 | 1046 | 2.7 |
東北・岩手県 | 1039 | 2.1 |
九州・沖縄県 | 1029 | 6.9 |
中国・山口県 | 1007 | 1.7 |
東北・青森県 | 943 | 2.5 |
東北・山形県 | 942 | 2.1 |
近畿・奈良県 | 919 | 1.4 |
九州・鹿児島県 | 867 | 3.5 |
四国・香川県 | 834 | 2.4 |
九州・宮崎県 | 826 | 1.7 |
中部・富山県 | 784 | 1.9 |
近畿・和歌山県 | 779 | 2.3 |
東北・秋田県 | 778 | 1.8 |
九州・佐賀県 | 770 | 2.1 |
四国・徳島県 | 717 | 1.6 |
中部・福井県 | 647 | 2.1 |
四国・愛媛県 | 628 | 2.2 |
中国・鳥取県 | 552 | 2 |
中国・島根県 | 505 | 2.3 |
四国・高知県 | 419 | 2.9 |
合計 | 85323 | 平均 2.21 |
訪日外国人の旅行先 都道府県ランキング
このデータは観光庁がリンクしている日本政府観光局 (JNTO) の「訪日外客数」から2019年のデータを元に作成しています。下の表は、「訪問者数」と「消費単位」をクリックすると、上位・下位順に並び変える事ができます。この表では、北海道は東北、沖縄は九州ブロック属しています。
地方・訪問地 | 訪問者数(単位:万人) | 消費単価(単位:万円) |
---|---|---|
関東・東京都 | 1410.3 | 10.9 |
近畿・大阪府 | 1152.5 | 7.3 |
関東・千葉県 | 1048.5 | 1.6 |
近畿・京都府 | 830.1 | 3.4 |
近畿・奈良県 | 349.5 | 0.8 |
中部・愛知県 | 269.4 | 6.1 |
九州・福岡県 | 259.5 | 7.1 |
東北・北海道 | 239.1 | 12.1 |
関東・神奈川県 | 234 | 5.4 |
九州・沖縄県 | 182.7 | 9.7 |
近畿・兵庫県 | 180.4 | 3 |
中部・山梨県 | 165.5 | 2 |
中部・静岡県 | 142.1 | 3.1 |
九州・大分県 | 98.7 | 2.7 |
中国・広島県 | 90.4 | 4.1 |
中部・岐阜県 | 89.6 | 2.9 |
中部・長野県 | 85.3 | 5.4 |
中部・石川県 | 59.9 | 3.3 |
九州・熊本県 | 57.8 | 3.1 |
九州・長崎県 | 44.6 | 4.1 |
関東・栃木県 | 38.4 | 4 |
中部・富山県 | 34.2 | 2.9 |
近畿・和歌山県 | 31.9 | 3.5 |
関東・埼玉県 | 31.7 | 7.4 |
九州・鹿児島県 | 31.3 | 6.3 |
中国・岡山県 | 30.5 | 4.7 |
東北・宮城県 | 29.8 | 5.5 |
四国・香川県 | 29.7 | 5.6 |
九州・佐賀県 | 28 | 3.2 |
関東・茨城県 | 26.7 | 5.5 |
中部・三重県 | 22.3 | 4.4 |
東北・青森県 | 22.1 | 4.5 |
近畿・滋賀県 | 20.5 | 3.7 |
東北・新潟県 | 18.6 | 5.3 |
中国・山口県 | 17.7 | 3.2 |
関東・群馬県 | 16.3 | 5.3 |
九州・宮崎県 | 15.5 | 3.9 |
中国・鳥取県 | 13.5 | 3.9 |
東北・岩手県 | 12.4 | 4.1 |
東北・山形県 | 11.9 | 4.8 |
四国・愛媛県 | 11.2 | 4.1 |
東北・秋田県 | 10.3 | 3 |
東北・福島県 | 9.8 | 4.4 |
四国・徳島県 | 8.9 | 3.3 |
中国・島根県 | 7 | 3.1 |
中部・福井県 | 6.4 | 3.2 |
四国・高知県 | 5.8 | 4.9 |
合計 | 7532.1 | 平均 4.6 |
自然の癒しや文化をより求める訪日外国人
日本人の旅行先としては10位の京都府が、外国人からは千葉に次ぐ4位の人気ぶり。そして日本人旅行者には34位の奈良県が、外国人には5位とすごいランクの差を見せています。京都、奈良が上位に続くのは、日本の歴史や風情ある町並みを外国人は求めている事がうかがえます。ただ奈良県に関しては外国人の消費単価が8千円と47都道府県の中でも最低で、消費させる対象が少ないのでしょうか。同じく千葉県も1万6千円と訪日外国人の消費単価は奈良に次いで低い。訪問者数としては3位 (1048.5万人) なのに消費単価が少ないのはもったいないですね。

訪日外国人の人気旅先4位:京都府

訪日外国人の人気旅先5位:奈良県
日本人は沖縄旅行で最も支出、訪日外国人は北海道で
消費単価でみると、日本人旅行者が最も支出している訪問地は6万9千円の 沖縄県 でした。沖縄県の訪問者数の順位は30位と高くは無く、東京都の十分の一の数です。次に大きな消費単価の訪問地となった北海道は3万3千円。訪問者数の順位も5位とベスト5入りしています。訪問者が最も多い東京都の消費単価は2万円と意外に高くなく、同様に大阪も同じく1万9千円と高くはありません。
一方、外国人の消費単価順位は北海道の12万1千円(訪問数順位:8位)、東京都の10万9千円(訪問数順位:1位)、沖縄の9万7千円(訪問数順位:10位)、大阪府の7万3千円(訪問数順位:2位)、福岡県の7万1千円(訪問数順位:7位)でした。
魅力的な観光資源つくり
歴史的な建物や恵まれた自然環境、アミューズメントパーク、国際的なMICE施設、独特のカルチャー文化など、こうした観光資源がある所にやはり観光客は多く集まります。一方で観光資源が乏しい地方でも、観光資源つくりやさまざまな取組で観光業を盛り上げようと頑張っている所もあります。ローカルガイドビズではこうした頑張っている地方の情報を国内外に向けて情報発信をしていきます。

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