「Urban Innovation KAWANISHI 」で兵庫県川西市の地域・社会課題解決を目指す2社を採択しました! – スタートアップ × 川西市 × 実証実験
2021年1月18日
Urban Innovation JAPAN
株式会社ユニフィニティー
株式会社ネクストビート
「ノーコードアプリ開発ツールによる空き家データベースを構築」と「保育ICTシステムを利用した勤怠労務管理」の2つの課題において、2021年1月から3月末まで実証実験を実施します。
「Urban Innovation JAPAN」は日本全国の自治体とスタートアップが協働する新たな地域課題解決プロジェクトです。今年度から兵庫県川西市とともに実施している「Urban Innovation KAWANISHI(アーバンイノベーション川西)」で、新たに2つの課題に取り組むスタートアップを採択しましたのでお知らせします。
今回採択した企業とそれぞれの課題を所管する部署の職員が、2021年1月から約3か月間かけてサービスの協働開発から試行導入、実証実験にともに取り組み、サービスの本格導入を目指します。これらの取り組みを通じて、行政のデジタル化等による地域課題の解決とスタートアップの育成、さらには経済の活性化を図っていきます。
1. 審査方法、審査基準について
Urban Innovation KAWANISHI のウェブページから応募を受付けた26社に対して、書類選考および面談を実施。チームの優秀度、課題の理解度、職員との協調性、新規性・創造性、継続性・収益性の基準により審査の上、後述の2課題において2社を採択しました。
2. 採択企業・提案の概要
課題1: 官民連携で空き家のデータベースを構築・活用し、今までにない空き家の流通基盤をつくりたい!(参照サイト)
担当課:都市政策部 住宅政策課
課題:空き家の情報を単なる情報の蓄積で終わらせず、流通するまでの流れが可視化された、「活用できるデータベース」のシステムをつくることで、空き家物件が市場に流れることを促進し、まちの新陳代謝を生み出したい。
自社の業務に合わせたモバイルアプリをかんたんに作成できるノーコード開発プラットフォーム「Unifinity」を提供する企業、株式会社ユニフィニティーを採択しました。
採択企業:株式会社ユニフィニティー
業務内容:業務用モバイルアプリ開発プラットフォーム「Unifinity」の提供
川西市の課題1に関する提案内容
官民連携で空き家のデータベースを構築・活用
大阪のベッドタウンとして発展してきた川西市。そのニュータウンの多くは、昭和40年代以降につくられたものですが、急速に高齢化が進んでおり、大量の空き家が発生する将来が待っています。空き家が発生したら速やかに把握し、若年子育て世代への世代交代を図っていけるよう、空き家の流通を促進するため、本実証実験を行います。
そのため実証実験において、市民調査員がタブレット等を用いて空き家の現状を調査し、その調査データはオンラインでシステムに送信。流通にいたるまで活用できるシステムが構築できるかどうかを検証してまいります。
実証実験における活用ソリューション「Unifinity」×「kintone」
実証実験においては、クイックにアプリケーションを構築するとともに、その結果に応じて修正・改良を加えていくことが求められます。そのため、カスタマイズが容易にできるノーコード開発ツールを活用することとし、当社が提供する業務用モバイルアプリのノーコード開発プラットフォーム「Unifinity」とサイボウズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:青野慶久)が提供する業務アプリ開発プラットフォーム「kintone」とを活用して空き家のデータベースを構築・活用することと致しました。課題に応じてカスタマイズが可能なため、自治体などの公共分野においてもノーコード開発ツールが活用され始めています。
市民調査員が活用するタブレット等においては「Unifinity」にて作成したモバイルアプリを利用し、市職員等はモバイルアプリから入力されたデータを「kintone」にて管理・閲覧・分析します。これにより、スマートフォン・タブレットにおけるカメラやGPS等の各種機能を利用するとともに、市民調査員が利用しやすいインターフェースを自由に作成することができます。
業務用モバイルアプリノーコード開発プラットフォーム「Unifinity」とは
「Unifinity」は、現場で役立つ“スマホアプリ”をノーコードでつくれるプラットフォームです。PCの普及により多くのオフィスではペーパーレス化が進んでいますが、工場内などの”現場”では、まだまだ多くの紙書類を使った業務が残っているのが現状です。「カメラや位置情報などを活用して業務を簡単に行えるアプリがあれば」という現場の声に応え、いま必要なアプリをスピーディーに導入することができます。また、クラウドストレージのBOXやDropBox、kintoneなどの各種SaaS、社内システムとも連携が可能です。
以下のような特徴を有し、特許取得(特許第6602190号、第6570436号、第6639238号)しています。
- カメラや位置情報などの便利なデバイスの機能を盛り込んだアプリが、
- Windows、iOS、Android向けに、
- 一度に、それも一切のコードを書かずに開発可能
また、現在までに多くの企業の現場で、業務を効率化した実績を有しています。
課題2: 保育士の勤怠管理、給与支払をデジタル化し、事務作業を大幅に減らしたい!(参照サイト)
担当課:こども未来部 幼児教育保育課
課題:紙の出勤簿で管理している市立保育所、認定こども園の保育士の勤怠管理や、手作業で行っている給与支払事務を大幅に減らし、子どもたちと接する時間を増やしたい。
“保育園・幼稚園の『タイヘン』を『カンタン 』に”をテーマに作られた、保育士の業務効率を改善する保育施設向け業務支援システム「KIDSNAキズナコネクト」を提供する企業、株式会社ネクストビートを採択しました。
採択企業:株式会社ネクストビート
業務内容:インターネットを活用した各種コンテンツ・サービスの企画・開発、各種マーケティング支援事業
川西市の課題2に関する提案内容
保育園の最重要課題でもある「採用」に直結する保育士の勤怠管理、給与支払い等の事務作業に膨大な時間を要しているという現状の課題を、キズナコネクトを導入することでデジタル化し、事務作業の効率化を図ります。複雑な保育業界の勤怠管理のシステム化が非常に難しい中、キズナコネクト独自の強みを生かし、システム導入が現場の負担軽減に寄与するかを分析することで、職員の働き方改革や保育の質向上といったICT化の効果を検証します。
シフトの作成、管理
必要配置人数や有資格者数等を考慮した月次・日次シフトの作成が可能です。日々変動するシフトの修正も簡単に行えるような仕様になっています。特に管理が大変なパート勤務の方のシフト計画時間数の確認も簡単に行えます。
勤務実績の管理
ICカードを使って打刻をし、立てたシフト(所定労働計画時間)と実際の勤務打刻の予定と実績が簡単に管理できます。また、休憩時間も労働基準法に則り、自動で差し引く設定もできます。
残業、有給休暇等の申請・管理
残業や有給休暇、特別休暇等の申請・承認ができます。有給休暇の残日数管理や、年次有給休暇管理簿の作成も可能です。各申請は、シフトや勤務表にも自動反映されますので、確認も簡単です。
給与計算に必要な集計データの作成、給与ソフトとの連携も可能
変形労働制などの多様な働き方に合わせた勤務体系設定が出来、設定別の勤務データ集計ができます。集計したデータはすでにご利用中の給与ソフト(一部対象外)への連携が可能です。
キズナコネクトは、保育士の事務作業を効率化することで、負担軽減はもちろん、保育士の長時間労働の是正や実情に合わせた適正な待遇の実現を推進し、保育士確保のみならず、保育園に通う子どもたちや保護者に対する保育の質向上を支援してまいります。
3. 今後のスケジュール(予定)
令和3年1月~3月:スタートアップと担当職員との協働開発
令和3年未定:本格導入を検討
4. 参考情報
Urban Innovation JAPAN について
2017年より神戸市から始まった日本初のスタートアップと行政職員が協働する新たな地域課題解決プロジェクト。2020年1月現在、全国11の自治体と連携し、日本全国の自治体の課題とスタートアップをマッチングするオープンイノベーション・プラットフォームを展開しています。