大阪市立大学は5名の教授・准教授・研究員が各研究シーズを発表
JST(科学技術振興機構)主催の「イノベーション・ジャパン」~大学見本市~ は、全国の大学等の技術シーズを一堂に集め企業へ紹介し、産学連携の推進、技術移転のきっかけとなる場を提供することにより、産業活動の活性化を目指す産学連携マッチングイベントです。大学等における研究シーズと産業界のニーズをマッチングさせるイベントとしては国内最大規模になります。
17年目を迎え本年も展示会開催を予定していましたが、新型コロナウィルス感染症の状況を考慮し、開催形式を変更してオンライン開催中です。
大阪市立大学からは、以下の5名の教授・准教授が各研究シーズをオンライン出展しています。どなたでも閲覧できますので、ぜひご覧ください。
自在な濃度変動を可能にしたインテリジェント電気めっき技術
兼子 佳久 教授
大阪市立大学 大学院工学研究科 機械物理系専攻
出展カテゴリ:マテリアル・リサイクル
技術概要:
湿式の合金めっきでは、作用電極(材料表面)に付加される電位に依存して析出物の成分が変化します。あらかじめ電位と合金成分との関係を明らかにしておけば、電位波形生成と消費電流測定をコンピュータを通して行うことで、自在の濃度変化を有する合金膜を作製できる。例えば、矩形電位波では多層構造膜、連続的に変化する電位では濃度勾配を有する合金膜を得ることができます。そのような濃度変動めっき膜では機械的な強度も向上することが確認できており、新しい表面強化手法として期待ができます。
詳細はこちら
https://ij2020online.jst.go.jp/exhibitor/un20200084.html?fi=jst07
この技術は、SDGs の「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」に該当します。
呼気同期皮膚刺激による生体副交感神経賦活化機器の開発
渡辺 一志 教授
大阪市立大学 都市健康・スポーツ研究センター 健康運動科学
共同研究者:
大阪市立大学 都市健康・スポーツ研究センター 山下 和彦 客員准教授
大阪市立大学 工学研究科 辻岡 哲夫 准教授
出展カテゴリ:ライフサイエンス
技術概要:
現代のストレス社会において副交感神経賦活は、健康寿命の延伸等に極めて効果的である。自律神経活動は、呼気相に交感神経が亢進し、吸気相に副交感神経が亢進する。この唯一随意的生理機能である呼吸の呼気相に同期した非侵襲的皮膚刺激(振動刺激、刷毛刺激)が、心臓副交感神経活動を賦活化させる。今回、刺激の部位、微振動刺激に対する周波数の最適化を検証した。また振動刺激については、自動化(サーミスタ使用)および随意的刺激の機器を開発した。
詳細はこちら
https://ij2020online.jst.go.jp/exhibitor/un20200083.html?fi=jst04
この技術は、SDGs の「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」に該当します。
究極の低熱抵抗を目指すダイヤモンドと半導体、金属の直接接合
重川 直輝 教授
大阪市立大学 大学院工学研究科 電子情報系専攻
共同研究者:
佐賀大学 理工学部 嘉数 誠 教授
出展カテゴリ:低炭素エネルギー
技術概要:
我々は熱伝導率が最も高く、耐熱性、電気特性に優れる材料であるダイヤモンドとワイドギャップを含む半導体や金属との直接接合を実現し、耐熱性を実証ています。加えて、接合上の素子作製・動作の実証、ダイヤモンド/金属界面の低熱抵抗特性を実証しています。これらの検討を発展させて、ダイヤモンドと半導体素子やヒートシンクとの直接接合の基盤技術を提供します。ダイヤモンドをヒートスプレッダとすることにより、究極の低熱抵抗・高出力・高集積・高耐熱性モジュールの実現を目指します。
詳細はこちら
https://ij2020online.jst.go.jp/exhibitor/un20200086.html?fi=jst05
この技術は、SDGs の「すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」に該当します。
手首に電極を貼る誘発筋電により前角細胞抑制を可視化
中島 重義 准教授
大阪市立大学 大学院工学研究科 電子情報系専攻
共同研究者:
関西医療学園 理学療法学科 弓永久哲 教諭
出展カテゴリ:医療
技術概要:
脳卒中やALS、パーキンソン病の症状として振戦(しんせん、震顫)という、手先が震える現象があり、その原因として脊髄の前角細胞の抑制の低下があげられていますが、従来は低下の様子が可視化できませんでした。手首に電流を流す誘発筋電からF波という波の反応を見る検査がありますが、従来は短時間の検査であったので誘発筋電と前角細胞の相関は不明確でした。去年、私たちは5分のF波の分布が、振戦と相関があることを発見しました。今回、F波の分布から前角細胞の抑制低下の可視化をして、振戦の進行との対比が可能になりました。
詳細はこちら
https://ij2020online.jst.go.jp/exhibitor/un20200082.html?fi=jst06
この技術は、SDGs の「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」に該当します。
リアルな体験を可能にする防災教育ARアプリ「CERD-AR」
吉田 大介 研究員
大阪市立大学 都市防災教育研究センター(CERD)
共同研究者:
大阪市立大学 都市防災教育研究センター 三田村 宗樹 所長
大阪市立大学 大学院工学研究科 林 博文 客員研究員
出展カテゴリ:防災
技術概要:
従来の地図アプリ等では、2次元の地図上でしか災害情報を表現する方法がなく、実際の現場状況がどのようになっているかについては利用者の想像力に頼っているという課題がありました。開発したARアプリを用いることで、防災関連施設や訓練向けの仮想災害を、端末の画面上に効果的に可視化することができます。昨年度には、地理院タイル等のGISデータをアプリ上でAR表示できる機能を実装しました。これにより、ハザードマップ等の専門的なデータを、現実の風景に重ねて表示することで分かりやすく可視化することができます。
詳細はこちら
https://ij2020online.jst.go.jp/exhibitor/un20200085.html?fi=jst11
この技術は、SDGs の「都市と人間の居住地を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする」に該当します。
名称: | イノベーション・ジャパン2020 大学見本市 Online |
会期: | 2020年9月28日(月)~11月30日(月) |
費用: | 閲覧無料(参加登録あり) |
主催: | 国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST) |
共催: | 文部科学省 |
閲覧者: | 企業の技術開発担当者、営業担当者、経営者、その他産学連携に興味のある方等 |
内容: |
|
WWW: | オフィシャルサイト |