ドローン専門人材育成と産業振興へ貢献
ドローンの人材育成・環境整備を手がける 株式会社スカイピーク が、愛知県新城市での物流実証実験に業務提携を結ぶ 株式会社トラジェクトリー と共に参画。ドローン専門人材の育成プログラムの提供と運航支援をしました。この実証実験は、山間部過疎地域での災害時における避難所間の物資輸送を目的とした物で、計12の企業・団体の体制で2021年3月16日から27日の間に行われました。
プレスリリース内容
愛知県新城市での、災害時における物流実証実験にてドローン専門人材育成プログラムを提供し運航に成功
2021年4月8日
株式会社スカイピーク
株式会社スカイピークと株式会社トラジェクトリーと共同で実証実験に参画
国土交通省登録管理団体として、ドローンの社会実装に求められる人材育成・環境整備を手がける株式会社スカイピーク(本社:東京都渋谷区、代表取締役:高野耀、以下「スカイピーク」)は、東三河ドローン・リバー構想推進協議会による物流実証実験に参画し、自律飛行を前提とした独自研修プログラムを地元企業に提供及び運用支援をすることで、新城市をはじめとした東三河地域の新産業創出に繋がるドローン専門人材育成に寄与し、本プロジェクトが成功したことをご報告いたします。
本実証実験への参加背景
本実証実験を一過性にさせないための、持続的な活動に向けた支援、またさらなる地域産業振興に貢献したいという想いをもとに、スカイピークは、本実証実験において地域のドローン専門人材の育成プログラムを提供及び運航支援をいたしました。
成果として、本実証実験によるドローンの社会実装化に向けた、東三河地域 (愛知県) における地元企業の新産業創出、またドローン専門人材育成によって地域が主体となって活動できる体制・基盤づくりに貢献することができました。
地域課題解決のためのドローン社会実装化には、物流や災害などそれぞれの分野において、正しい知識とスキルを習得した運航責任者の育成が不可欠となります。本実証実験はこれからの地域産業を担う次世代の人材育成に向けた大変意義のある取り組みとなりました。
本実証実験の背景と概要
実施背景と内容
本実証実験は、ドローンによる避難所への物資輸送によって、災害時における地域課題の解決を目的として実施されました。新城市の山間部に位置する海老地区は、高齢化率が高い一方で、災害時において土砂災害による交通の寸断によって孤立集落となる可能性を孕んでおり、さらに災害時における体制として、山間地域への物資供給手段の確保に課題を抱えておりました。
そこで、2020年8月に設立された「(※1)東三河ドローン・リバー構想推進協議会」の取り組みの一環として、新城市において「山間部過疎地域での災害時における避難所間の物資輸送」を目的とした、ドローンによる物流実証実験を実施する運びとなりました。
本実証実験は、不足する避難所物資を近距離避難所からドローンにより輸送することで、点在する山間部避難所への車両輸送に代わる迅速な物資供給手段の確保に資する実験として、応急手当品等の避難所物資のドローン輸送を実施しました。
※1「東三河ドローン・リバー構想推進協議会」…豊川、新城の両市が、未来技術の社会実装を通じた地方創生の深化を図り、ドローン・エアモビリティに関する新産業の集積をはじめとする地域経済の活性化及び地域課題の解決に向けた取組を進めるため、官民で構成された官民協議会
ドローン飛行ルート
実施スケジュール
・飛行試験1 3月16日 (火) ・17日 (水)
・飛行試験2 3月23日 (火) ・24日 (水)
・実証実験 3月27日 (土)
※雨天のため、実証実験は当初の予定となる28日から27日へ繰り上げ実施いたしました。
実施ルート
※上図参照
・ドローン離陸地点 海老構造改善センター (新城市海老字千原田5-1)
・ドローン着陸地点 旧海老小学校グラウンド (新城市海老字野辺51-1)
本実証実験の特徴
地域の持続的な活性化のためには、企業誘致頼みの外発型や財政依存型の繁栄ではなく、内発型の発展を目指すことが課題となるケースが多い一方で、本実証実験では特定の企業に依存することなく、オープンイノベーション型の取組みで成果をあげられたことが大きな特徴だと捉えています。
具体的な特徴として、以下3点があげられます。
1. 地域における独自開発製品の利用 (ドローンポート・輸送用BOXの開発)
地元企業が開発・製造した、ドローンの機体に固定する専用の輸送ケースと、長時間庫内温度を一定に保つことができる遮熱ボックスと共に、ドローンの飛行における離着陸を支援するドローンポートを本実験にて使用することで、物流分野に必要な関連製品の新商品化に向けた取り組みを実施。
2. 自律飛行を実現する先進技術 (3D地図・管制システム)
国際航業株式会社によって事前にドローンで計測した離着陸地点の3次元地図を作成し、株式会社トラジェクトリーのAI管制システム「TRJX」の活用により空域管理を行い、安全な飛行ルートを自動生成することで、精度高く再現性のある自律飛行を実現。
3. 自走に向けた地域での運航 (ドローン人材の育成)
地域主体での取り組み、且つ継続的な運航ができるよう、株式会社スカイピークから、協議会より推薦を受けた株式会社エムアンドシーへ、事前にドローンの自律飛行を前提とした、物流オペレーションのトレーニングプログラムを提供することにより、災害時の輸送(運航)を実現する地域人材の創出へ向けた取り組みを実施。
実勢体制
全12社・団体が参画
地域における取り組み事業者・団体(協議会会員)
- ドローンポート(自立電源で稼働・外部からのリモート接続による自律飛行との連携)
ミヤチ株式会社、有限会社河合精工、株式会社トヨテック - 輸送ケース及び遮熱ボックス(運搬関連製品)
宇都宮工業株式会社 - 運航管理(航空局飛行申請等運航管理)
株式会社エムアンドシー - 協力団体(飛行に関する安全確認「監視員」の提供や、記録撮影等)
豊川ビジョンリサーチ、一般社団法人奥三河ビジョンフォーラム、ユタカコーポレーション株式会社、一般社団法人みかわドローン協会
ドローン産業における技術提供への取り組み事業者(協議会協力会員)
- 3次元地図作成(着陸場周辺における詳細地図)
国際航業株式会社 - 航空管制システム(AI 航空シミュレーターによる安全な飛行航路設計)
株式会社トラジェクトリー - 操縦責任者の育成(国土交通省登録管理団体)
株式会社スカイピーク
※国際航業株式会社、株式会社トラジェクトリーの両事業者は「地方創生に関する包括連携協定締結事業者」
今後の展開
我々スカイピークは、ドローン前提社会の安全・安心に向けて、社会実装を通じて地域社会に貢献していくことをミッションとして掲げています。
その上で、本実証実験において、弊社の運用プログラムを活用して、地域で育成されたドローン専門人材によるミッション成功は、東三河地区のドローンを通じた産業振興へ貢献することに留まらず、ドローンの社会実装化に対応できる専門人材が不足している本業界の課題解決にも繋がると考えます。
今後も本市におけるさらなるドローンの利活用を推進はもちろん、全国各地のさまざまな自治体、また民間企業と連携し、ドローン産業における「Level 4」(有人地帯での目視外飛行)の実現を見据えた人材育成を通し、地域社会の貢献につとめてまいります。