シリコンバレー起業 は遠隔操作できるスプリンクラー開発がきっかけ!?
オラクル、フェイスブック、Yahooなどがある シリコンバレー起業することはIT技術者の夢でもあります。そのエンジニアの聖地・シリコンバレーで、IoTシステム開発に関連するサービスを提供している MODE, Inc. という、2014年に立ち上がったスタートアップの会社があります。最初はインターネットから遠隔操作できるスプリンクラー (畑や庭などの散水装置) を作り始めるものの・・・いろんなな試行錯誤の連続。しかしそれがIoTのプラットフォーム構想へと繋がっていく。無給状態+無償でオフィスを借りてる環境、そして投資家も現れず、会社をクローズする覚悟を決めて作った製品が。。。ここから先は下をお読みください。
MODE Inc. 創業秘話
シリコンバレー発のIoTスタートアップ MODE, Inc.の創業ストーリー
データの活用で、世界から「unknown」をなくしたい
2021年9月9日
MODE, Inc.
MODE, Inc. は2014年にアメリカ・シリコンバレーで創業したスタートアップです。「地球上のあらゆる企業のビジネスにデータ活用を広める」というビジョンのもと、IoT (Internet of Things) およびデータ活用によるお客様のDX実現を目指しています。
ここではCEO/ Co-Founder 上田学 (うえだがく) 氏より、MODEが生まれたきっかけや誕生秘話についてご紹介します。シリコンバレーのテック企業を経験した上田が目の当たりにしたIoT開発の難しさや、IoTを使ったビジネス・データ収集の可能性と未来について、起業ストーリーを軸にお話いたします。
MODEを設立者・上田学 (うえだがく)
早稲田大学大学院を卒業し、外資系企業の日本法人に数年間勤務した後、シリコンバレーのスタートアップの日本法人に転職。そのスタートアップがYahoo!に買収されたことがきっかけで渡米。2003年には2人目の日本人エンジニアとしてGoogleに入社。主にGoogle Mapsの開発に携わる。その後、Twitterに移り、公式アカウント認証機能や災害時の支援機能などの開発チーム立ち上げ、開発チームのマネジメントを経験。「人生で一度は起業してみたい!」という思いからTwitterを退職。2014年、Yahoo!出身の共同創業者のイーサン・カンとともに、シリコンバレーを拠点に、IoT(Internet of Things)のためのクラウド・プラットフォームを開発するMODEを設立。
MODE 設立のきっかけ
Twitterを2013年9月に辞めて、それから半年間くらいは旅行の予約サービスを作っていました。その時に、気分転換で Raspberry Pi を買って来て動かしてみたんです。そこからだんだんハードウェアにハマって行ったという感じですね。その頃は古いパソコンやらルンバやら、様々なものを分解して勉強していました。
そこから徐々に、IoTデバイスを作ってみようという気持ちが芽生え、4月くらいにインターネットから遠隔操作できるスプリンクラーを作り始めました。ところが実際にスプリンクラーの開発をしてみると、面倒なことばかりでした。
モノとクラウドを繋ぐためには、センサを用意して繋いで、サーバー借りて、アプリを作って…とやらないといけないので大変でした。
ITで遠隔操作できるスプリンクラーの開発 (ウエダガクの目指す世界から)
IoTをやりたい人というのは、ソフトウェアを「作る人」ではなくて、ソフトウェアを「使う人」です。ですが、IoTを開発するためは、ソフトウェアもハードウェアもできる人でないと難しいんですよ。
だからソフトウェアに詳しくない人のためのプロダクトを作って、たくさんの人にIoTを活用してもらいたいと考えたんです。
起業、そして撤退ギリギリでの資金調達
当時は昔の同僚など、多くの方に協力していただいていました。お金もなかったので、知人のオフィスの会議室を無償で貸してもらって仕事をしていました。
2014年8月5日、正式にMODEとしてスタートした。Co-Founder Ethan Kan と上田学
とはいえ、ずっと給料ゼロでやっていたので、12月までに投資を受けられなかったら終わりにしようと、イーサンと話していました。時間切れは刻々と近づいて来ていましたが、10月頃、今ある機能に近いんですけど、何か動いたら録画されるというプロダクトを作り、それを投資家見せに行ったんです。それでようやく11月終わりに投資を受けることができました。この時の投資はNYにあるベンチャーキャピタルCompoundの他に、エンジェル投資家や知人など計8名くらいに投資していただきました。
最初の納品は空調管理システムのIoT化
最初に頂いた投資は日本円で6000万円相当なので当時は雇える人数も限られています。まずは自分で何でもやらないといけないので、私が営業もしていました。「こういうのがあるのですが、お話しませんか?」と営業メールを地道に出していたんです。
そんな中、最初のお客様となるアメリカの空調の小さな会社さんから声がかかりました。ベイエリアの山の向こうにある老舗の会社さんで、背の高い年配の男性から空調管理システムのIoT化を依頼されました。
休日は趣味でプログラミングしている学氏
体育館やイベント会場のような大きな建物の業務用クーラーを取り扱っている会社で、IoTを使ってクーラーの作動時間をコントロールすることで、電力消費を下げて電気代コストを削減したいという依頼でした。まずそのための電力・気温の簡単なダッシュボードを2000ドルで納品しました。これがMODEの最初の売上です。今思うと小さな売上ですが、うれしかったですね。
今のソリューションの原型
その少し後なのですが、サンフランシスコの展示会でセンサーメーカーの方がいらっしゃって、開発したばかりの環境センサーに対してデータを収集するものを作りましょうということなり、新たな開発が始まりました。
当時はMODEゲートウェイソフトウェアがなかったのですが、この時に作ることになりました。年末年始の時期だったので、センサーを家に持ち帰り、クリスマスに家で作業して環境センサーをゲートウェイとクラウドに繋いだんです。
MODE Sensor Cloud のダッシュボード画面イメージ
現在、MODEの代表的なソリューションとなったMODEセンサークラウドの原型ですね。
現実世界からUnknownをなくし、ビジネスに革新を起こす
IoTを活用することで、世界から「Unknown」がなくなり、ビジネスの世界に大きな革新が起こります。
ゲームで入るダンジョンは真っ暗です。そこで周囲を照らすアイテムを手に入れ、効率の良いルートを見つけたりしたら一気に探検が進みますよね。現実世界も真っ暗なダンジョンと同じで、まだまだ分からないことばかりです。ビジネスではもっと知るべきことがあるはずなのにデータが集められていない。データなしでビジネスをするのは、たいまつやランプを持たずにダンジョンに潜るようなものです。
現実世界も真っ暗なダンジョンと同じで、まだまだ分からないことばかり。
私が以前に勤務していた大手テック企業は、自社のユーザーやサービスのことをかなり正確に把握することで、ビジネスを成長させてきました。データの収集、分析、企画立案、実行。要するに、データに基づいてPDCAサイクルを回すのです。
ウェブ以外のビジネスでも、センサを使って現実世界のデータを収集すれば、テック企業と同様のPDCAサイクルを回せるようになり、ビジネスに革新が起こせると信じています。
感動体験をお客様とともに
多くのお客様は、データの力でビジネスに革新が起こるのをまだ目の当たりにしていません。革新が起こったビジネスの景色は、まるで山頂からの景色のように、麓から見る景色とは全く違う景色です。MODEは、お客様が山頂で新しい景色を見られるように、山頂までお連れしたいと考えています。一緒に山頂までいってみませんか?
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